おおい町チャレンジショップ プロポーザル | 2019.07
敷地概要 計画地:おおい町、福井県 建物概要 建物用途: チャレンジショップ 延べ床面積:1300㎡
ゆったりと時間が流れる素晴らしい環境がそこにはあります。 海があって山があり、里がある。ただ、敷地は埋立地としてきれいに区画された場所です。 いわば読み込むべき「地」の文脈があまり見当たりません。 そこで集合の密度だけで空間を創ってはどうかと考えました。 軽い単一ユニットを集めて、つなげて、広げて雲のような屋根をつくります。 フレキシブルに多様な人々の営みがクラウドの下、展開し、増築などの拡張にも柔軟に対応します。 ひとつひとつの要素は4.8m四方の軽量キューブにより構成されます。キューブは不燃テント地とETFEフィルムで 覆われた空気層を抱き内部環境を調整します。そして軽量な構造フレームとして積み重ねられます。 各機能はインフィルとして雲のような構造体の下に展開します。 キューブの下面は煙突効果によってキューブの空気溜まりに温まった空気を導く透過層になります。 ライトアップされ輝く天蓋が集合する雲の下、個が集まることにより多様性が人を魅了します。 ある秩序の下での形にはまっていない機能の展開が人を和ませ、またそこに行きたくなる豊かな体験を育みます。 鎮守の杜での夏祭りのようなものです。何か気持にうったえかけるそんな優しい光です。 やがて漆黒の闇に包まれる黄昏のとき、国道を疾走していると、ふと何か揺らめく光の集合体が動き出す。 夏の終わりのヒグラシの声が、半ば闇に包まれようとしている海の気配と相まってこの地の空気が身に染み入る。 浸透。何かおまつりが始まるような高揚した気持ちを抑え、光の集合体に集まっていく。そこに何があるのか? きっと海からも、誘う光が岸に浮いて見えるのでしょう。 周辺の環境や施設から事物や出来事が集まり、魅力や意味、情報などが発せられるHubとなります。 ランドマークとなることはもとより、海上や青戸の大橋の上からも蛍の群れの様に輝く光の集合体が人々を誘います。