ステラ御幸町 | 2007.11
敷地概要 所在地: 京都市中京区 敷地面積: 610m2 建物概要 建物用途: 共同住宅 構造・規模: RC造 延べ床面積: 1,909m2 掲載誌 2008 日経アーキテクチュア 06 2008 ディテール 07 2008 商店建築 10 2010 ディテール 01 2010 日本建築学会作品選集 賞 2009 第10回関西建築家大賞 審査建築家奨励賞 Webapge Archello
京の時間が醸造した意匠を再解釈し、町に馴染んだ居心地の良い建築を提案します。周辺は職住共存地区と行政 からも称される様、昔ながらの町家が軒を連ねる一方、さりげなくカフェやヴィンテージショップが通りに顔を 出しています。伝統と新しいものが心地よい関係で共存する如何にも京都らしい町です。この京の街中の はんなりとした雰囲気をプロジェクトの中にも再現したいと考えました。モダンではあるけれども伝統を意識 した建築を新しくこの地に築きたい。 まず、敷地を縦に貫く形で「通り庭」の様なコンコースと命名した半外部空間を設けました。コンコースは両袖 のショップの露地の様な共用空間として、また、住居へのアプローチとして機能します。コンコースの導入部と なる正面ファサードにはモダンな形で京の町家を再現すべく、軒や面格子を金属やガラスなど幾つかの新しい 素材を用い、透かしのオブジェの様なしつらえを施します。コンコースは街から切り取られたポケットパーク の様に、自然を楽しむ小宇宙となります。見上げると空を切り取る額縁の様な吹抜けの中に高木が鎮座し、 絵画的なシークエンスが、半ば人工的な自然を人々に意識させます。自然の不思議さと儚さを意識させる研ぎ 澄まされた空間をそこに再現することが狙いです。新しい美と用をこの地に再現します。 住戸コンセプト フラットタイプ12戸とメゾネットタイプ2戸、7タイプ計14戸の住居が3~6階に展開します。容積にも余裕を もたせ、敷地の中にも空間的な余韻を残しています。京の街中にありながら全住居ともに東西二面にバルコニー を擁し、採光と通風を確保しています。上層階からは東山の山々を一部垣間見ることもでき、古都の街中に 素晴らしい住空間が展開します。個性を尊重し、同じプランが積層される構成を避け、住人それぞれが自分の 「家」を認識できる計画とします。特に、3,4階に展開するメゾネットタイプ2戸は御幸町通りに面する 「離れ」の様なしつらえとし、コンコースから専用階段でアプローチすると同時に屋上庭園も持っています。 (フラットタイプの3階2戸も屋上庭園付)。フラットタイプも全て60㎡以上の面積を持ち、どのタイプもホテル のスウィートルームの様に間仕切りを開け放つとワンルーム的な空間が広がるプランとします。ウッドデッキが 敷き詰められたバルコニーやセンスを感じるキッチン、造り付けの家具。バスルームは一部デザインタイルを 張ったホテルタイプを採用するなど、古都の中心に居ながら、リゾートホテルで過ごす様な生活を楽しむことが できます。