Next Generation Container Port | 2014.03
敷地概要 計画地: シンガポール、シンガポール 建物概要 建物用途: Container Port 賞 2014 MIPIM Architectural Review Future Projects Awards in Cannes Sustainability Prize Webpage Winners 2014 The Telegraph BBC
都市には人と物が集まり、さらに発展し魅力を増します。 人と物。羽田空港の国際化や関西国際空港のLCCネットワークにより、ようやく日本にもハブ空港が形成 されつつあります。海外から観光・商用で来られる人々も随分と増えました。一方で、物流の分野には効率化を 図る余地がまだまだあるように見受けられます。航空貨物も大変重要な要素となりますが、圧倒的な物量は 海上輸送が占めています。海上コンテナ輸送をこれからどうしていくか、ひいては日本国内の物流の効率化を 再考することが日本の構造改革を進める上で急務かと思われます。 ご存知のように、日本にも神戸と横浜という伝統的な海上輸送の拠点がありますが、国際的な地位は残念ながら 下がる一方です。特に阪神大震災の際には扱量も海外に大きく流出しています。一方海外ではコンテナの中 継拠点(トランジットポート)として、巨大なハヴ・コンテナポートがいくつも整備され、その取扱量を増や してきました。すべてのコンテナが陸揚げ・船積みされるわけではなく、かなりのコンテナはコンテナ船から コンテナ船に積み替えられ、最終目的地に向かいます。海のハブ空港が巨大コンテナポートです。シンガポール は上海と世界一位の扱量を競う巨大コンテナ港ですが、陸揚げされるコンテナは20%ほどに過ぎず、ほとんど は中継です。しかし、空港と同じく都市に物資が集まればたとえ最終的に物資が陸揚げされなくとも都市の ポテンシャルを格段にUPします。多くの物資が通過する拠点であることが重要です。 元来、日本はアジア各国と南北アメリカ大陸およびパナマ運河をつなぐ航路の中継点に位置します。また、 新しく開発された北極海航路のアジアへの入口にも位置します。にもかかわらず、我が国は様々な事情やリスク を避ける形で、海上物流の中継点となる機会を逃してきました。国内各地に分散したコンテナ港のネットワーク を再統合し、国際ハブとなりうるコンテナ港の構築を再考するときにあります。インフラの分散を更新する今 という時期は大きな好機に恵まれたときでもあります。