ステラ四條 | 2019.07
敷地概要 所在地: 京都 敷地面積: 建物概要 建物用途: 書店ファサード 構造・規模: 延べ床面積:
京都の街中にいくつかの「場」を設えました。 平成最後の祇園祭りの宵々山のとき、完成しました。 もともとそこにある建築は バブルのころにつくられた建物で意匠的には当時の流行のようなものが感じられるものです。 四条通りのアーケードに面したコリドーの部分には床壁に赤い花崗岩が張られ柱は鏡面のステンレスで覆われていました。 素材の持つ質感が古いということではなくその使われ方の作法・流儀のようなものがバブル時代の短期的な世を覆った趣向の影響を受けたもので、 今となっては少々陳腐化した空間性を感じるものとなっていました。 流行のトピックのようなものではなく、京都という街が継続していく中で人が体験し、 知覚して心の中に根付いたある素形のようなものを引き出し、抽象化し、街の中に再構築することを考えました。 姿や形ではなく、何を知覚し経験するかという行為を意識して、とある「場」を創っていきます。 構成要素は何をそこで感じてもらえるかという知覚です。 京都という街の中で私たちが今までに経験した知覚を分解・再構築=抽象化して新しい場に再現します。 何故そう感じるかということを考え、いらぬものを排除して空間をつくります。 出しゃばったスタンドアウトした何かではなく、自然に、人に興味を持ってもらう、何かなと振り返ってもらう、そんな設えです。 今は二つの「場」だけですが、そんな「場」が街の中の辻々に現われたら良いのではと夢想しております。