クサツココリバ/草津川プロジェクト | 2017.04
敷地概要 所在地: 滋賀県 草津市 建物概要 建物用途: 商業施設 構造・規模: S造 延べ床面積: 573m2 掲載誌 2018 新建築 03 2017 日経アーキテクチュア 12-28
敷地は草津川という天井川の川底でした。 天井川は国道やJR東海道線も横断し宙を走る川です。 大雨による 堆積を繰り返し、 それに伴う堤防帯の上昇により、 川は周辺の建物より高く成長し、 やがて新しく整備せれた 河川に付け替えられました。 草津川跡地公園内にココリバという3棟の商業施設がオープンしました。琵琶湖のほとりに伝わる葦葺屋根 の形を象徴として現代に再現し、大小3棟により集落のような場を創ります。何か懐かしく親しみを感じられる のは私たちが見たことがある風景を現代に再現しているからです。茅(カヤ)葺ではなく琵琶湖周辺は葦 (アシ) 葺 でしたが、これらの葺き屋根の素形が発展したのは、そこにある材料を安定した方法で採取し積み重ね、屋根 を作ったからです。多様な場所で相似形の屋根が出来ました。 今回のプロジェクトは入札により地域の施工会社が作るということが条件でした。 人件費が高くなってしまっ た日本では手を掛けたら安定するという考え方は今では難しい面もありますが、 集積による創造はある種の 安定性、リスク分散にもつながります。 一点に全てが集中するのではなく、 分散します。 反語とはなりますが、 多様性と集積ということを意識しています。地産の造形は何故かしっとりと景色が心に残ります。