with 3 Kids, 2 Dogs and the Jungle | 2014.09
敷地概要 所在地: 某所 敷地面積: 1,680m2 建物概要 建物用途: 住宅 構造規模: S造 延べ床面積: 293m2 掲載誌 2015 GA Houses 140 2015 住宅 特集 01-15 賞 2016 2A Asia Architecture Award 2016 Residential (Villa) Category List of Winners Architect Interview Webpage Archdaily Archello Architizer idesignawards Homify Materialicious Vimeo
子供たちと、そして犬と一緒に暮らしたい。クライアントからの率直な要望だった。敷地は500坪程だが、 そこにはこの家の主が生まれ育った木造二階の家が建っていた。当初はこの生家を改修し、内壁を可能な限り 撤去し、その中に子供たちのCellが浮遊するようなプラニングを考えた。クライアントも案を気に入り設計を 進めたが、最終的には耐久性と耐震性を憂慮し、子供たちと、犬と一緒に生活し外部環境が内部に浸透する住宅 を新築した。 家族が暮らす内部空間は周辺の環境がしみ込む場であり、その中に子供たちのCellが浮遊する。外部が浸透する 内部。建物は平屋とし間口40mにて外部環境を迎い入れる。但し、間口いっぱいに庇の層を設け、その背後に 緩衝帯の様なスペースを設ける。曖昧な中間領域は外部から守られていることを意識し、家族にある種の安心感 を与える。庭から、いくつかの浸透膜のようなレイヤーが重層し、家の奥にはこの建築を縦断するトップライト =ジャングルがある。その中には植生が繁茂し、はかない自然を強く意識する透明なスリットとなる。 ジャングルは煙突効果を利用したパッシブソーラーの装置ともなり、室内の空気を誘引し排気する。いくつかの 透明なレイヤーを浸透し、周辺環境が内部にしみ込む。 子供たちの部屋は家の中心に位置する。彼女たちの独立心を刺激するため、家の中の家とする。天井は全て ガラスルーフとし、空を仰ぎ、家のなかに在る外部を強く意識する。ガラスルーフは可動ルーバ―で日射を コントロールするが、そこから入るエネルギーは家の中の空気を換流するエネルギーともなる。子供たちの部屋 の前は家族のパブリックスペースであり、そこには映画「家族ゲーム」で見たような横長の食卓がある。 子供たちは土間から一段上がり自分たちの領域=家に入る。家族の関係を意識する仕組みをそこに設定する。 子供部屋前面の土間では子供たちがバイオリンを奏で家族に聞かせる。 この家は家族の関係性(絆)をそして外部環境=自然環境を意識して生活するための装置であるが、そのために あえていくつかの抵抗あるいは障害のようなものを設定している、子供たちのCellはあえて外部環境に一番近い 部分、すなわちあまり守られていないような感覚を覚える場所に配置されている。