八光自動車東大阪支店 | 2014.08

八光自動車東大阪支店 The Hakko Body Technical Center BTC
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Site
敷地概要
所在地: 東大阪市
敷地面積: 1,020m2

建物概要
建物用途: 整備工場
構造・規模: S造
延べ床面積: 3,255m2

Webapge
Archello
何らかの理由でダメージを受けた輸入車をメンテナンスするディーラーのマザーファクトリーです。車が工場に
入るということはオーナーにとってはあまり良い状況下ではありません。そんな中、これから車がリフレッシュ
し、再度新しい息吹を与えられるような、爽やかな期待感に満ちた場を創りたいと考えました。その場所は車の
オーナーにはもちろんのことそこで働くワーカーをも魅了するそんな空間であるべきです。明るく、物の動きの
秩序が感じられ、オペレーションが視覚化されている。行為がそのまま建築となったような建物が良いのでは
と考えました。
一階にはクリーンルームメーカーにより製作された塗装ブースが並び、その間を車がレールの上を水平移動
します。外壁は全て半透明ガラスをはめ込んだサッシです。光に満ち溢れたホワイトアウトした空間の中、
自動車に未来的な印象を覚えます。
規格化されたアルミサッシを組合せ一見、全面カーテンウォールの様に見えながらもコストを抑えた構成として
います。随所に気流を考えながら可動部を設け、空調設備はなくとも夏でも体感温度を下げていくことを考えて
います。冬季は熱が室内に溜まります。2つの塗装ブースにはそれぞれ給気用と排気用の巨大なダクトが接続
されブース内での焼付塗装が実施されます。

作業工程をシミュレートし、スペースの削減も含め、効率よくスムーズに作業が流れる様プランは決定されて
いきました。とは言え、車種も多岐にわたり、独特な個性を持つ車の集まりは特化された作業の集積でも
あります。フレキシブルかつスペシフィックなプラン構成となっています。装飾や付加物は存在しないほぼ
機能がそのまま建築化したような建物ですが、これを半透明のスクリーンで包み、内部のスペックを外部に
イメージとして伝えています。見せるということはハリのようなものです。作業の精度もワーカーの士気も
プレゼンテーションすることにより高まります。効率的な機能が視覚化されたとき、美しさを感じます。


「環境」これからの建築を創るとき、必須な検討項目です。地球環境を思うとき、まず私たちが考えないと
いけない課題がトータルなエネルギー消費を削減することです。一番身近な部分では空調に係るエネルギーを
如何に削減するかですが、地球温暖化が今ほど進んでいない30年前には、夏でも冷房なしの室内で過ごすこ
とはまだ一般的でした。
酷暑時の外気温が人の体温に近づきそれを超えだすと、たとえ風がそよいでも快適度は徐々に失われ、閉鎖
空間の中で冷房を施すことが常となりました。そうすると、建物外皮の断熱効果をあげ、空間の閉鎖性を
高める必然が出てくる、換気はしないといけないがそれによる熱損失もリカバーしないといけなくなり、
エネルギーの積み重ねにより快適性を保つことになります。
そうではなく、空気を動かすことにより、少なくともその地にある大樹の木陰と同等な環境をつくることは
冷房がなくとも可能です。その空気を動かすエンジンが太陽光です。パッシブな環境制御を考える場合には
太陽光を室内環境に取り入れ、これにより暑くなった気積が自ら室外へ出ていこうとするルートを想定し
シミュレートします。
今までの熱損失を小さくした外皮ではなく、むしろ太陽光による熱をある程度内部に入れる外皮が必要と
なります。もちろん冬期はそれを貯め置くことも考えます。イメージとして、夏季は室内の空気全体を
動かして、周辺環境から空気をとりこむ。取入れる空気の質により、室内環境も決定されるので、可能
ならば緑化や、水の蒸発による気化熱を利用するなどして取入れる空気を冷却すれば、効果は一気に高まります。
オペレーションやエネルギーの流れが見えて美しい。人を魅せるテクニカル・センターです。