Nail Salon | 2005.06
Site Location: Osaka Construction Type: Refurbishment Building Use: Office and Commercial Building Floor Area: 28m2
船場の雑居ビルの一室に計画されたネイルサロンです。「バリの様なインテリア」を希望するとのクライアント の言葉に当初はガルーダやバロン等、バリヒンドゥーの神々の容姿を思い出し、「具象に囲まれた空間」を 連想しました。しかし、設計事務所に依頼する以上、そのままの具象を並べた空間を作りたいという筈もなく、 話を進めるうちに「モダン・バリ」という言葉を、クライアントと設計者、施工者が共有できるキー・ワード として採用しました。 「モダン・バリ」という言葉をどういう意味で解釈したかというと、なるべく具象を排除し、素材 のマチュエールやそれらの構成、光やそこに流れる空気のようなもので、バリ・テイストを表現しようという ことです。具体的には、リサイクル無垢フローリングと間接光照らされたカーテンをデザインのモチーフとして 採用しています。 リサイクル材は長年使われていた木材を継ぎ合わせて製造されており、その表情にも時間の経過が見て 取れます。特に本来裏となる面は反防止のために幾筋かの溝が彫られています。裏面を仕上げ材として つかった壁面収納は木チップを積層したようなレイヤーが表面に現れ、「時間」がそこに張り付いたよう な印象を与えます。一方、間接光に照らされたカーテンははそれ自身が照明器具となると同時に、 床のフローリング材と共演して、空間に奥行きと流れるような方向性創り出します。 カーテンは蚊帳のように柔らかく空間を分離し、それぞれの仕切られた領域の雰囲気をそこなうことなく お互いに伝えます。現実以上の空間の拡がりをヴァーチャルに創りだします。