愛知万博チケットブース | 2005.03
敷地概要 所在地: 愛知県名古屋市 敷地面積: 91,850m2 建物概要 建物用途: チケットブース 構造・規模: 木造 延べ床面積: 92m2 掲載誌 2005 日経アーキテクチュア 11-14 2005 新建築 05 2005 ディティール 07
愛知万博のささしまサテライト会場にてリサイクル木材メーカーが協賛・建築したチケットセンターだ。 将来的にはリサイクル木材を大量に使うことを前提とした実験的な工法を開発・採用している。 廃木材を粉砕し高密度圧縮した材料を使用するためのプロトタイプ工法だが、試作中の材料は使うことが できず、アピトン合板を代替品として使用する。アーバン・フォレストから再生産される環境に負荷をかけない リサイクル木材。 繊維質が切れているので、せん断強度と引っ張り強度は期待できないが、圧縮強度は期待できる材料の特性を 生かした使用を最終目標としている。円弧を描く構造壁を作り、これに木の葉のような吊り下げる構成とした。 アピトン合板からなる長さ1.8m、厚さ12cmのブロックを馬踏み状に積層して、PC鋼棒により圧縮力を導入し壁 を形成する。壁全体には800トンほどの圧縮力がかけられ接着材などを用いることなく一体化している。 屋根と壁の間にはスリット状のトップライトを設け、双方の縁を切る形とした。屋根は集成材を並べ、 軒先部で3本のワイヤーを貫通させ壁から吊り下げる構造としている。 もちろん強風時の負圧力や動きに対する検討も行っている。壁体の表面には凹凸が現れ、 木の表情をそのままインテリアに生かした空間ずくりが可能である。 木材(将来はリサイクル材)を幾分多く必要とするが、その分、二部部材や仕上げを無くし、 ライフサイクルの中で定着できる工法をめざしている。